「あなたって、どんな人ですか?」
そう聞かれて、すっと答えられる人って、どれくらいいるんだろう。
私自身、長いあいだ、答えられませんでした。
中学の3年間、感情に蓋をして、スイッチをOFFにしたみたいに過ごしていた時期があります。
高校1年の6月、あるとき気づきました。
友達が笑っているから、自分も笑顔を作っている。
あれ? 笑っているけど、楽しくも、なんとも思ってない。
自分がどう感じているのか、自分でも分からない。
そういう時期が、確かにありました。
だから、「自分ってどんな人だろう」って考える気持ちは、他人事じゃないんです。
人に聞くより、AIに聞くほうが楽かもしれない
「私って、どう見える?」
これを誰かに聞くのは、けっこう勇気がいると思います。聞かれたほうも、気を遣う。
その点、AIには気兼ねなく聞けます。評価もされないし、気まずくもならない。
自分のことをAIに聞いてみたくなる人が増えているのも、分かる気がします。
タレントマネジメントの上場企業が、「本人が気づいていないこと」に踏み込んだ
最近、こんな発表を見ました。
プラスアルファ・コンサルティングという東証プライム上場の会社が、
タレントマネジメントシステム「Talent Palette」に、
「対話型AIキャリアアドバイザー」という機能を追加しました。
社員の情報や経歴が蓄積されたそのシステムを、A
Iが分析して、一人ひとりに合ったアドバイスをする。
面白いのは、そこに書かれている狙いです。
本人が気付いていないキャリア志向や価値観を、AIが整理して、可視化する。
そのうえで、目標とのギャップを埋める研修や、ロールモデルになる社員まで提示してくれる。
自分でも気づいていない自分を、データから読み取ってくれる時代が、もうそこまで来ているんですね。
一方で、「答えを教えすぎない」と決めたAIもある
同じ「自分を知る」を扱いながら、まったく逆の設計を選んだAIもあります。
ジャーナリングアプリの「muute」。
このアプリの方針は、こう書かれています。
> AIがすべてを教えるのではなく、利用者自身が考え、気づくための”余白”を残すこと
運営会社の考え方も、はっきりしています。
> AIは人の代わりに答えを出す存在ではなく、自分自身を知るきっかけをつくる存在であるべき
答えを、出さない。
むしろ、出さないことを、設計として選んでいる。
全国9校・189名を対象にした学校での導入検証では、
88%が自己理解の促進を、
78%がメンタルヘルスの向上を、
80%が他者にも勧めたいと
答えたそうです。
可視化してくれるAIと、可視化させてくれるAI
似ているようで、たぶん、ぜんぜん違う。
どちらも「自分を知る」ためのAIです。
片方は、データから答えを差し出してくれる。
もう片方は、答えを出さずに、こちらが気づくのを待ってくれる。
どっちが正しい、という話ではないんです。どちらも、ちゃんとした仕事だと思います。
ただ、残るものが、逆になる気がしていて。
答えをもらうと、その瞬間はスッキリする
「あなたはこういうタイプです」
そう言われると、ホッとします。分かった気になる。
でも、しばらくすると、また同じ問いが浮かんでくる。
「自分って、結局どんな人なんだっけ」
そのとき、また聞きに行くことになる。
また誰かに、何かに、答えを求めに行く。
⇒ 分かった気になるのと、分かるのは、違うんじゃないかって思うんです。
答えを預けたぶんだけ、次にまた預けに行く。
自分の中に、答えを探す力のほうは、あまり残っていない。
16年前に、自分で書いていました
これを書きながら、思い出した記事があります。
2010年に、こんなタイトルで書いていました。
> [いい答えには、必ずいい質問がある]
AIなんて、まだどこにもなかった頃です。
そのもっと前、2008年には[「なぜ?」と問いかけてみよう。]というのも書いている。
同じところを、ぐるっと回って、また別の角度から見ている感じがします。
道具が変わっても、変わらないものがある、ということなのかもしれません。
眠れる才能は、”見える化”すると目を覚ます
これは、私がずっと言い続けてきたことです。
でも、大事なのは、ここから先で。
見える化するのは、AIじゃない。
自分なんです。
AIは、気づくきっかけをくれる。問いを渡してくれる。
でも、書くのは、自分。
言葉にするのは、自分。
気づいた先で、それを自分のものにするのは、自分にしかできません。
まず1枚、書いてみませんか
もし今、「自分ってどんな人だろう」って、ちょっとでも思ったなら。
答えを教えてもらうのではなくて、自分で見つけにいく方法が、ひとつあります。
「らしさととのうハックラボ」の中に、「自分へ10の質問〔自分から見た自分編〕」 というフォームがあります。
登録なしで、いますぐ開けます。
[らしさととのうハックラボ]
10の質問に、自分で答えていくだけ。
AIが分析してくれるわけじゃない。
誰かが正解をくれるわけでもない。
ただ、書いているうちに、後から後から、勝手に出てくるものがあるんです。
飲み物でも片手に、のぞいてみてくださいね。

※このあと、もう一歩踏み込んで書きました※
▶ 確定させるのは、AIじゃない
https://lion-cafe.com/my-treasure/20260809/
AIの答えは、そのまま信じていいものじゃない。それでも私が、AIで「診断」と伴走をつくっている理由です。

