自分を変えようとする前に、言葉の意味を確かめてみる

手帳に「今年こそ」と書いたこと、ありませんか。

もっと行動できるようになりたい。
もっと発信を続けたい。

そう書いて、朝の習慣を始めてみる。

けれど何日かすると、元に戻っている。
そして「意志が弱いんだな」と思う。

でも、本当に意志が弱いからなのでしょうか。

 

イヤホンが別の道具になった話

株式会社ダイヤモンド社が2026年9月2日に公表した、一橋大学大学院の永山晋准教授の著書『概念シフト なめらかに常識を変える思考法』のプレスリリースを読みました。

イノベーションは、モノが新しくなること以上に「概念の変化」から生まれる。
ある対象のイメージが変わり、それまでの当たり前が塗り替わる。
この現象を「概念シフト」と呼ぶ、と紹介されています。

例に挙げられていたのが、AirPodsでした。

それまでのイヤホンは「高音質で音楽を聴く道具」で、音の良さや遮音性が基準だった。
そこから「耳につけたまま外の音も聞き、人と会話し、音声を受け取る道具」へと概念が変わった。

形が大きく変わったわけではありません。
「何をする道具か」が変わった。

ここまでが、プレスリリースに書かれていたことです。ここからは、これを読んで僕が考えたことです。

 

「続ける」に入れている意味

僕は、2008年から3年間、一日も欠かさずブログを書きました。

いまは、1日1つの問いや言葉を、形を変えながら出しています。
ブログから、穴埋め50音質問へ、フォーマットへ、1日一粒の言葉へ、Note記事へ。

同じ「続ける」ですが、中身は違います。

前者は、一日も空けないこと。
後者は、何を届けるのか。

では、あなたの「続ける」は、どちらでしょうか。

もし「決めたとおりに、一日も欠かさずやり遂げること」だとしたら、体調を崩した日に、そこで終わります。
「伝えること」「形にすること」だとしたら、3日の間が空いても4日目に行ったら、まだ続いている途中となります。

やっていることは同じでも、言葉に入れている意味が違うと、続いているのか終わったのかが変わります。

 

その意味は、いつ決めたものか

うまくいかないとき、変えようとする先は、たいてい自分です。

早起きできないなら、気合いを入れる。
発信が続かないなら、強い意志を持とうとする。

その前に、一度見ておきたいものがあります。

その言葉に、どんな意味を入れているか。
そして、その意味を、いつの自分が決めたのか。

たとえば、こんな言葉です。

– 「三日坊主」 を「意志が弱いこと」と読むか、「3日は集中できたこと」と読むか
– 「自己表現」 を「大勢の前で語ること」と読むか、「今日心が動いた場面を1行書くこと」と読むか
– 「仕事」 を「耐えるもの」と読むか、「自分の時間を、人のために使うこと」と読むか

何が正しいのか、という話ではありません。

どちらの意味で使うかを、いまの自分が選びとれる、という話です。

今年の旅行にどこに行くか、
去年の旅行で気に入った場所にもう一度行くのか。
新しい場所に行くのか。
自分のその時の想い、感じ方、状況、状態に照らし合わせながら選び取るだけです。

言葉も、同じように扱っていいと思っています。

 

言葉を一つ選んで、三行だけ書く

紙を用意しなくても、手帳の隅でかまいません。

最近、自分が気になっている言葉を一つ選びます。「努力」「成長」「発信」「自立」。どれでも。

きれいにまとめなくて大丈夫です。三行だけ、順番に書いてみます。

 

①いま、その言葉をどういう意味で使っているか

思っているままを書きます。
「毎日欠かさずやること」
「誰かに認められること」
窮屈な定義でも、直さずにそのまま置きます。

ここで直してしまうと、自分が何に縛られていたのかが見えなくなります。

 

②その意味は、いつの自分が決めたものか

思い出せる範囲でかまいません。
学生の頃かもしれない
前の職場かもしれない
誰かに言われた一言かもしれない

思い出せなければ「いつだったか分からない」と書いておきます。
それも、いまの自分が決めたものではない、という記録になります。

 

③今日の自分なら、どう書くか

①をなぞらず、いまの暮らしから書きます。
「思い出したら手を伸ばすくらい」
「一行でも書けたら、その日はやったことにする」

誰かに見せる正解ではなく、自分が息をしやすい言い方を選びます。

 

書き直したあとのこと

書き直したからといって、明日の朝すぐに動けるようになるとは限りません。
ただ、動けなかった日に、自分を責める理由が一つ減ります。
うまくいかないとき、変える先が自分しかないと思っていると、打つ手は「もっと頑張る」しか残りません。

言葉の側にも手を入れられると分かっていれば、選べる手が一つ増えます。

いま、いちばん重く感じている言葉は、どれでしょうか。

 

参照した記事

2026年9月2日 株式会社ダイヤモンド社
一橋大学大学院の永山晋准教授の著書『[概念シフト なめらかに常識を変える思考法
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000560.000045710.html

タイトルとURLをコピーしました