意見を飲み込んで終わった会議のあと
会議で、ひとつ言いたいことがあった。
でも、場の流れを見て、言わずに終わった。
資料は、決められた形にそろえた。
任された役割は、いつもどおりにこなした。
帰り道に、ふと思う。
会社にいると、自分らしさなんて出せないな、と。
かといって、自分をアピールして目立つのも、
しっくりこない。
目立つか、消えるか。
その二つしかないように見えて、動けなくなる。
空気を読んで意見を飲み込むのは、
場を大事にしているから。
役割どおりに過ごすのは、
任された仕事を、ちゃんと引き受けているから。
アピールに違和感があるのは、
仕事を自分の宣伝に使いたくないから。
僕には、そう見えます。
もしそうなら、消えているわけではありません。
大切にしていることが、
まだ周りから見える形になっていないだけ、
なのかもしれません。
飲み込んだ一言の奥に、
あなたの大切にしていることは、
入っていなかったでしょうか。

自分らしさを出せない人に向けた本の案内
同じようなことを感じている人に向けた、
本の案内を見つけました。
広告会社で長年ブランディングに携わってきた、
大広の鬼木美和氏の新刊です。
本が向けられているのは、
会社や組織の中で
「自分らしさを出せない」
「周囲との関係性に悩んでいる」
と感じている個人だそうです。
本のポイントとして挙がっている中に、
こんな一文がありました。
一人では育たない「あなたというブランド」を、
周囲との共創・関係性設計によって磨いていく。
この案内は、本の発売を知らせるプレスリリースです。
(発行元・公表日・URLは、記事の最後の「出典」にまとめました)
僕は、本そのものはまだ読んでいません。
ここに書いたのは、リリースに書かれている範囲です。
ここまでが、大広のプレスリリースに書かれていたことです。ここからは、これを読んで僕が考えたことです。
目立つことと、見えるようにしておくこと
僕が引っかかったのは、
「一人では育たない」という言葉でした。
会社の中で自分らしさを出せないとき、
出すか、消すかを、
ひとりで決めようとしてしまうことがあります。
でも、周りに見えていないものは、
周りも応援のしようがないんじゃないか。
そう思うんです。
目立つことと、見えるようにしておくことは、
同じではないと僕は考えています。
目立つのは、自分を前に出すこと。
見えるようにしておくのは、
役割の中で、何を大切にして働いているかが、
周りに伝わる形にしておくこと。
役割は、そのままでかまいません。
変えるのは、その役割の中で大切にしていることを、
見える形にするところです。
総務部の事務職だった頃のブログ

2009年、僕は会社の総務部で事務職をしていました。
その頃、ブログにこんなタイトルの記事を書きました。
「仕事には、役割がある。その役割に意味を持たせているのは自分」
総務の仕事は広くて、
毎日いろいろなことが舞い込んできました。
時として「何でも屋」のように思ってしまうことがある、
とも書きました。
同じ記事に、当時の僕はこんなことを書いています。
仕事は、自分ひとりで始まって、
ひとりで完結することがない。
自分の仕事は、必ず別の誰かの手に渡っていく。
そして、その仕事に意味を持たせて、
感情や思いを込めているのは、自分自身だ、と。
役割から外れようという話ではありません。
役割は役割のまま、
そこにどんな意味を込めるかは自分で決められる、
という話です。
仕事が別の誰かの手に渡っていくなら、
込めた思いも、その人の目に触れるところにある。
今の僕は、そう考えています。
出版費用の支援が集まった日
本を出すとき、出版の費用を、
個人的なクラウドファンディングで募りました。
支援が集まったとき、
僕にも、こういうことが起きるのか、と驚きました。
なぜ集まったのかは、僕には言い切れません。
ただ、クラウドファンディングで募った以上、
本を出したいということは、
周りの人の目に入る形になっていました。
見える形になっていなければ、
応援したくても、できなかったかもしれません。
仕事の中でも同じことが起きるかは、分かりません。
それでも、大切にしていることが見える形になっていれば、
気づいてくれる人が出てくる余地は、生まれると思っています。
次の会議までの3つの手順
① 手を止めた場面を1つ思い出す
意見を飲み込んだ場面でも、
資料の直しに時間をかけた場面でもかまいません。
そのとき、自分は何を守ろうとしていたか。
一語で書いてみます。
たとえば、正確さ、相手の負担、約束、といった言葉です。
② その一語が出ている、いつもの行動を探す
特別なことをしなくても、
すでにやっていることがあるかもしれません。
たとえば、読む人が迷わないように、見出しを付けて資料を作る。
頼まれごとの返事を、その日のうちに返す。
一語が行動になって出ている場所を、ひとつ見つけます。
③ 見てほしい人を、一人だけ決める
全員に伝えようとしなくていいです。
上司でも、隣の席の人でも、取引先の人でもかまいません。
その人の目に入るところで、
②の行動を、いつもの形で続けます。
言葉で宣言する必要はありません。
次の会議のあとに
会議で意見を飲み込んだ日があっても、
大切にしていることまで消えるとは、僕は思っていません。
目立たなくていい。
ただ、何を大切にして働いているかは、
見える形にしておく。
いつか、隣の席の誰かが
「そこ、いつも大事にしているよね」と
気づいてくれたら。
役割の中にいたまま、
自分らしさは、ちゃんと周りに伝わっていたことになります。
「あのとき、自分は何を守ろうとしていたんだろう。」
そう思って一語が浮かんだなら、
それがもう、大切にしていることの1行目です。
今日は、それで十分です。
続きの問いが、ひとつ。
→ 自分らしさの種〔仕事編〕(8つのテーマから、仕事の中の“自分らしさの種”を見つける1枚)

出典
株式会社大広(PR TIMES)2026年10月1日 14:47公表
『大広 鬼木美和が新刊上梓
『なぜ、あの人はいつも応援されるのか 会社にいても、
「自分らしさ」を発揮できるパーソナル・ブランディング』』
著者:鬼木美和氏(株式会社大広 取締役執行役員)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000219.000042292.html
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