ちゃんとやってきたのに、どこかずれている気がするとき

最後のひとつで、ボタンが余る

シャツのボタンを、上から順に留めていく。
ひとつずつ、ちゃんと留めた。
ずれているなんて、少しも思わなかった。

最後のひとつで、ボタンが余る。
そこで初めて、どこかで掛け違えていたと気づく。

そんなこと、ありませんか?

いろいろやってきたのに、それが何なのか、
自分の言葉で言えない。
ちゃんとやってきたはずなのに、どこかずれている気がする。

その感じは、洋服の最後のボタンで掛け違いに気づいた感じと、
少し似ているのかもしれません。
ひとつずつは、ちゃんと留めてきていたのですから。

 

何個目で気づくか

洋服のボタンの掛け違いは、何個目で気づくかで、外す数も変わります。
2つ目で気づけば、外すのは2つ。
最後のひとつで気づけば、全部です。

留めている最中は、ずれが見えにくいこともある。
途中での進み具合は悪くないし、むしろ順調に見えていた。
だから、気づくのが、たいてい最後になる。

ボタンには、合う穴があります。
一歩にも、自分に合う向きがあると思っています。
自分らしさが出せる向き、と言ってもいいかもしれません。

向きの話も、ボタンと同じ形です。
一歩進んだところで気づけば、戻るのも一歩で済みます。
10歩進んでから気づけば、戻るのは10歩以上かかったりします。

ずれていたのは、さぼっていたせいとは限りません。
歩いたあとにしか、見えないことがあるだけ、かもしれません。

だから、僕は「ずれないように」よりも、
「ずれても、早めに戻れる、ずれが大きくなる前に気づく」ほうを大事にしています。

 

一歩が速くなったいま

調べものも、資料づくりも、
いまは道具を使えば、ずいぶん速く進みます。
だから、一歩目へと進んでいくのも、その先へも速く進めてしまう。

僕が、2026年にプログラミング未経験のまま、
AIとの対話だけで、最初のWebアプリを完成させたのは、約5時間でした。
仕事の価値観を言語化するアプリです。
やったのは、指示して、質問して、修正する。
その繰り返し。

速く進めるのは、悪いことではありません。
ただ、向きがずれていたときも、ずれたまま速く進みます。
だから、道具が速くなるほど、
確かめる間隔、気づくタイミングが大事になってくると思っています。

向きの確かめ方も、同じだと思っています。
最後のボタンを待つより、2つ目のうちに。
早く確かめるほど、戻る手数、歩数は少なくなります。

 

立ち止まると、置いていかれる気がするとき

「一歩ごとに確認していたら、周りに置いていかれそう」
そんなふうに焦る人も、いるかもしれません。

確かめるのは、立ち止まって長く考えることと同じとは限りません。
ボタンをひとつ留めるたびに、穴に合っているかを、
ちらっと見る。そのくらいの軽さでもいいんです。

見る間隔を狭めて、多少見る回数が増えても、歩く速さはほとんど変わりません。
狭めて、回数が増えれば、戻るときの歩数が、少なく済むことが多いです。

 

歩いている途中で、向きを確かめる3つの手順

① いちばん時間を使ったことを、1つ選ぶ

仕事でも、家のことでも、習いごとでもかまいません。
この1週間で、いちばん時間を使ったことを1つ選びます。
それを、「何のためにやっているか」の一文にします。

一文になったら、読み返して、
自分に合っている感じがするか、しないかだけを見ます。
言葉にならなくても、どちらか分からなくても、かまいません。
分からなかったと分かることも、確かめた結果です。

② 確かめる時刻を、近くに置く

今日の昼。この作業の区切り。
夜でも週末でもなく、近いほうの時刻を1つ決めます。
時刻があると、確かめることが予定の中に入ります。

③ ずれていたら、前に確かめたところまで戻す

全部をやり直す必要はありません。
前に確かめたところから、先に進んだところだけを確かめて直す。
こまめに確かめていれば、直すのは少なくて済みます。

ずれている気がしても、
留めてきた洋服のボタンが消えるわけではありません。
ひとつずつ留めてきた手間は、残ります。もうそこにあります。
外すのは、その前に確かめたところから先に進めたところだけです。

いちばん時間を使っていることは、
自分に合う向きに出した一歩でしょうか。

自分の気持ちが見えず、方向転換ばかりで迷うとき。
そんなときのための、自分に向けた問いが、並んでいる書き込み式のシートがあります。
そのシートはこちら

一歩なら、一歩で戻れる。

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