この歳だから、深められることがある

スマホの広告を消した指

スマホを眺めていると、
講座の広告が流れてきます。
「初心者歓迎」の文字。
昔、少し気になっていたこともあり、指が止まる。

でも次の瞬間、
「今さら、この歳から始めても」と思って、
結局、広告をスワイプして消してしまう。

気になることは、ある。
でも、いつも「もう、この歳だから」で止めてしまう。

心当たりはありませんか。

 

東洋経済オンラインに載っていた話

先日、東洋経済オンラインの記事を読みました。
東北大学加齢医学研究所教授で医師の、
瀧靖之さんの記事です。

「人生このままでいいのだろうか…40代の多くが直面する
「中年の壁」を乗り越える切り札《大人の知的好奇心》の育て方」
(東洋経済オンライン、2026年9月15日公表)
https://toyokeizai.net/articles/-/957003

瀧さんが監修した本
『「中年の壁」を乗り越える最良の方法』(宝島社)から、
一部を抜粋・編集した記事です。

記事によると、大人の知的好奇心は、
子どものような「やってみたい!」という
無邪気な好奇心とは、少し違うそうです。

ある程度知っている物事について、
もっと理解を深めたいと思う欲求。
記事には、こう書かれていました。
「半生を過ごしてきた中年だからこそ、得られるものです」
(1ページ目、見出し「若いときは好奇心、中年からは『知的好奇心』」の中)

例として紹介されていたのは、こんな人たちです。

小学生のころ星が好きで、
20代、30代はすっかり離れていた人。
40代で天体観測に誘われて、興味が戻りました。
プラネタリウムの解説が、子どものころより頭に入り、
望遠鏡や星座の神話にまで広がっていったそうです。

小学生のとき半年でやめた書道を、
大人になって再開した人。
行書や草書があることに気づき、
中国や日本の文化にまで興味が広がったそうです。

数十年ぶりにピアノを再開して、
未経験から始めるより早く修得できた人もいました。

どれも本の中で紹介された個人の例なので、
誰にでも同じことが起きるとまでは言えません。

ここまでが、東洋経済オンラインに書かれていたことです。
ここからは、これを読んで僕が考えたことです。

 

「もう、この歳だから」と言っていたころ

僕も「もう、この歳だから」を
口にしたことはあります。

そう言えば、やらなくてもいいと思えるからです。

年齢を理由にすると、反論されにくかったりする。
「そんなことないですよ」と言われても、
こちらには数字や周囲の前例があり、とても便利な言い訳でした。

ただ、言い訳したあとに、いつも少し後ろ髪を引かれる想いもありました。

 

指が止まった理由

その想いの正体に、あるとき気づきました。
年齢を意識するのは、たいてい何かを望んだときです。

何も望んでいなければ、
年齢なんて気になりません。
朝、顔を洗うときに
「もうこの歳だから」とは思いませんよね。

「もう遅い」と焦るのは、間に合いたい何かがあるから。
「まだ早い」とためらうのは、いつかそこへ行きたいから。

だから今は、「この歳だから」が出てきたら、
自分にこう聞き返すようにしています。

「じゃあ、何がしたいんだっけ」

言い訳が出てくるのは、望みがある証拠です。

冒頭の広告で指が止まったのも、
たぶん同じだと思います。
やりたくなければ、指はそもそも止まりません。

そして、さっきの記事に戻ると、
大人の知的好奇心は、
ある程度知っていることを、
もっと深く知りたいという欲求でした。

それなら「もう、この歳だから」は、
「この歳だから、深められる」とした方がいいと思う。

 

止まった指から始める3つの手順

① 何がしたかったのかを拾う

「もう、この歳だから」が出てきたら、
まず自分に聞いてみます。
「じゃあ、何がしたいんだっけ」

冒頭の広告なら、答えはシンプルです。
そのことを、やってみたかった。

大きな目標にしなくて大丈夫です。
「気になった」「懐かしかった」。
止まった指の理由は、
それくらいの言葉でかまいません。

② もう少し知っている所を探す

次に、拾った望みの中から、
自分が「もう少し知っている所」を探します。

まったくのゼロから始めることは、
思っているより少ないのかもしれません。

昔、少しだけやっていたこと。
好きで、よく眺めていたもの。
検索履歴に、何度も出てくる言葉。

記事にも、似たようなことが書かれていました。
昔、いっときでも夢中になったことを思い出す。
部活でもいい。

ネットの検索履歴を見返してみる。
それが好きな友人に、ついて行ってみる。

年齢を重ねた分だけ、
「少し知っている所」は
増えているのかもしれません。

③ 少し先まで深めてみる

「もう少し知っている所」が見つかったら、
そこを小さく深めてみます。

記事には、こう書かれていました。
「10分間だけ参加してみる。1回だけやってみる。本を1章だけ読んでみる」
本なら、冒頭の10ページだけでもいい。
三日坊主でもかまわない、とも。

僕は、本を読みながらメモをするので、
なかなかページが進まないことが結構あります。
この記事を読んで、
それも一つの深め方だと思いました。

広げなくていい。
進まなくてもいい。
いま知っていることの、少しだけ先まで。

 

消した広告の続き

もしまた、同じ広告が流れてきたら。
スワイプする前に、
一度だけ聞いてみてください。

「じゃあ、何がしたいんだっけ」

答えが出てきたら、
その中の「もう知っている所」を探して、
10分だけ、1回だけ、触れてみる。

「もう、この歳だから」は、
「この歳だから、深められる」の入口にしていきましょう。

あなたの指が最近止まったのは、どんなことでしたか?


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